野球少年に多い肩の痛み。ほんとに放置でいいの?
今回は野球肩についてお話していきます!
もうすぐ夏の大会が始まり、練習を追い込んでいる高校生や、大学生、中学生、小学生、草野球を頑張っている皆さん多くいるのではないでしょうか??
肩を痛めても時間が経てば落ち着くからいいやと、痛みを放ってしまう方もいるかと思います。
肩の痛みには必ず原因があり、肩の痛みを放っておくと肩関節周囲炎という長引く肩の痛みに繋がりやすいので必ず治療を行う事をおすすめします。
さて、投手に多いといわれる野球肩と呼ばれる症状をご存知でしょうか?
実は野球だけでなく、テニスやバレーボール、水泳、ハンドボール等の腕が肩より高くなる(オーバーアーム)競技にも多く見られます。
野球肩とは総称になる為、ここからは投球中のどこで痛みが出るかによって区分していき、可能性の高い疾患をお話していきます。
投げ始め(ワインドアップ期)~
ボールリリース直前(コッキング期・加速期)
・インピンジメント症候群
肩関節は例えると、ゴルフのピンとボール位の関節の深さしかありません。このような肩関節を支えているのが腱板と呼ばれる4つのインナーマッスル(棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋)です。特に棘上筋が投球動作の繰り返し(オーバーユース)により肩関節の安定が悪くなり、上腕骨と肩の外側の出っ張り(肩峰)や肩関節の靭帯等が衝突を繰り返す事をインピンジメント症候群といいます。解剖学的にこの間に挟まれるクッションの役割をする肩峰下滑液包が炎症したり、腱板が炎症したりする事で痛みが出るのが特徴です。
・スラップ損傷
肩関節の関節の浅さを補い、安定させている役割の関節軟骨を関節唇と呼びます。この関節唇上方の損傷から出る痛みの事をスラップ損傷といい、投球中のリリース直前に痛みや肩関節の不安定感が出るのが特徴です。
ボールリリース後(フォロースルー期)
・ベネット損傷
投球の繰り返しが原因で骨が筋肉の力に耐えられなくなり肩関節後面に骨棘ができてしまい、肩関節後方に痛みや脱力感が出現したり肩関節の可動域が悪くなります。
野球歴の長い投手に多い疾患です。
・後方関節唇損傷
関節唇後方の損傷でフォロースルーの時に痛みが強く出るのが特徴です。
小・中学生に多い肩の痛み
・リトルリーガー肩
10歳~15歳の投手が肩の痛みがある場合1番に考えるべき疾患です。
投球動作中肩全体の痛みがあり、痛くなり始めは熱感を伴います。肩関節の炎症だけでなく肩関節の疲労骨折がある場合もあるので早めの受診をおすすめします。
肩の痛みがあるうちは投球後アイシングをし、しばらくは投球を控え安静にしましょう!
ここからは野球肩予防の為の投球制限をお伝えします。
小学生
練習は週3日以内、
1日の練習量 2時間以内 1日の全力投球数限度50球 1週間の全力投球数限度 200球
中学生
週1日以上の休養日
1日の全力投球数限度 70球
1週間の全力投球数限度350球
高校
週1日以上の休養日
1日の全力投球数限度 100球
1週間の全力投球数限度 500球
1日2試合以上登板するのは控え、投球後は必ずアイシングで30分以上は肩や肘を冷やしてセルフケアしましょう!
すずらん接骨院では適切な理学検査を元に原因となっている肩関節周囲の筋肉の血流を良くする事や、機能が悪くなってしまったインナーマッスルをトレーニングする治療もあります。また、肩の痛みの原因として猫背も大きな原因となります。根本的な骨盤矯正や骨格矯正、姿勢改善メニューで治療を行うことで今後肩だけではなく、今後痛みの出ない身体を目指すことができます。
早期回復の為にも肩の痛みにお悩みの方はお早めの治療をオススメ致します。