肩関節の痛みに対して接骨院での検査法
肩関節の徒手検査は、肩の機能や障害を評価するために行われます。以下に、代表的な徒手検査を目的にまとめて解説します。
1. インピンジメント症候群の検査
肩の腱板や滑液包の障害が疑われる場合に行います。
①ニールテスト
- 方法:患者の腕を完全に内旋させた状態で、肩を動的に挙上する。
- 肯定: 痛みが生じた場合、肩峰下インピンジメントを示唆します。
② ホーキンス・ケネディテスト
- 方法:肩関節を90°曲げ、肘を90°曲げた状態で肩を内旋。
- 肯定: 痛みが生じた場合、インピンジメントを示唆します。
③ ヨカムテスト
- 方法: 患者に患者側の努力の反対の肩に置き、その状態で肘を挙上させる。
- 肯定: 肩の痛みが出現。
2. 腱板損傷の検査
肩関節の回転腱板(主に棘上筋、棘下筋、肩甲下筋)の損傷を評価します。
①ジョブテスト(空き缶テスト)
- 方法:患者に肩を90°外転させ、30°前方へ動かした位置で、親指を下に向けさせる。その状態で抵抗をかける。
- 陽性:痛みや筋力低下がある場合、棘上筋の損傷を示唆します。
② ドロップアームテスト
- 方法: 患者に肩を90°外転させた状態からゆっくりと降ろさせます。
- 肯定: 患者がスムーズに降ろせない場合、腱板損傷を示唆します。
③ 外旋ラグ
- 方法:肩を90°外旋した状態で保持させます。
- 陽性: 外旋位置を保持できずに腕が内旋する場合、棘下筋や小円筋の損傷を示唆します。
3. 不安定性の検査
肩脱関節臼や関節の緩みを評価します。
①不安テスト
- 方法:患者の肩を90°外転し、外旋方向に動かす。
- 肯定: 患者が恐怖感や不快感を表明する場合、前方不安定性を示唆する。
② サプライズテスト(リリーステスト)
- 方法: Apprehensionテストの状態から肩を外旋させた際、後方へのサポートを突然解除する。
- 肯定:不快感や痛みが生じる場合、前方不安定性を示唆します。
③ 溝
- 方法:患者の腕を下に引っ張る。
- 陽性: 肩関節下方に窪みが生じる場合、下方不安定性を示唆します。
4. 関節唇損傷の検査(SLAP病変など)
① オブライエンテスト
- 方法: 肩を90°曲げ、10~15°水平内転し、手内旋させて下向きに開く。その後、外旋して同じ動作を行う。
- 陽性: 内旋時に痛みがあり、外旋時に軽減する場合、肩関節唇損傷を示唆します。
② クランクテスト
- 方法:肩を160°曲げて、肘を90°曲げた状態で、肩を軸にして回転。
- 陽性: 痛みやクリック感がある場合、肩関節唇損傷を示唆します。
5. 肩甲下筋の機能検査
①リフトオフテスト
- 方法: 患者に腰の後ろに手を置いて、その手を後方に離すよう指示します。
- 肯定: 動作ができない場合、肩甲下筋の損傷を示唆します。
②ベリープレステスト
- 方法: 患者にお腹に手を当て、押すように指示します。
- 肯定: 手を押し込めず、肘を後方に動かしてしまう場合、肩甲下筋の損傷を示唆します。
6. 胸郭出口症候群の検査
① アドソンテスト
- 方法:頸部を患う側に回転し、深呼吸させながら橈骨動脈の拍動を確認する。
- 肯定: 動脈の拍動が減少または消失。
②ライトテスト
- 方法:腕を外転外回転させた状態で橈骨動脈の拍動を確認。
- 肯定: 動脈の拍動が減少または消失。
7.五十肩や拘縮の評価
- 肩関節可動域テスト:屈曲、伸展、外転、内旋、外旋の可動域を確認。
- ペインフルアークサイン:60~120°の挙上で痛みがある場合、腱板や滑液包の障害を示唆します。
まとめ
- 症状に応じて適切な検査を行うことが重要です。
- 検査結果を総合的に評価し、病状を正確に把握することで、適切な治療方針を決定します。
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